2024年に買ってよかったもの
買ってよかったものリストは作っていたものの、多忙を言い訳に1年以上寝かせておいたものがこちらになります。時間の経過に耐えたということは、それだけ品質も高まっているということです。
引っ越しグッズ
引っ越しとは大抵予見されたイベントである。引っ越しのタイミングとは大抵、外的な要因に左右されるものだ。進学、就職、転勤、転職。同居に別居。家の購入、あるいは賃貸契約更新料と手数料の理不尽さ。特段の理由もなく突如として引っ越すということは、あまりない。ないはずである。サイゼリヤで食事をしながら何気なく不動産屋のウェブサイトを見ていた。よさそうな物件の情報が出ているのを見つけた。契約の申し込みを受け付けているということである。そうしてある日、引っ越すことになった。
動機やタイミングに変わったところがあったとしても、引っ越しでやることはいつも同じである。ものを箱に詰める。箱を運ぶ。あるいは運んでもらう。運ばれた箱を開けてものを出す。あると便利なのが軍手である。軍手と言われて思い浮かぶのは、ホームセンターで山と積み上げられ売られている白色の編み手袋であるが、今回導入したのは天然ゴムを滑り止めにしたイージーグリップ軍手というタイプのものである。これが大変に捗る。箱を組み立てる。箱にものを入れる。箱に封をする。箱を持ち上げる。箱を移動させる。箱を開封する。箱からものを取り出す。素手では滑るし怪我をする。編み手袋では手先が不便である。この軍手であれば指先を怪我する心配なく作業ができるので非常に効率がよい。見れば引っ越し屋さんに兄ちゃんたちも同じものを使っている。IKEAの家具を組み立てるときにも便利である。IKEAの家具を分解するときにも便利である。引っ越しとは、IKEAの家具を分解し、運んでもらい、IKEAの家具を組み立てることでもあるのだ。
ガムテープで封をした段ボール箱を大量に開けるときに便利なのは"開梱のこ"のカイちゃんである。ガムテープなんて手で切って開ければよいし、手で開けにくいのならハサミでもカッターでも使えばよろしい。買う前はそう思っていたのだが、スッとガムテープを切って、サッと箱を開けられるのが、なんとも気持ちがよい。日々家に届くAmazonの段ボール箱を開封するときにも便利に使える。ほんのちょっとのストレスのなさが、積み上がると大きな余裕に繋がる。作業を効率化するとは、そういうことなのだ。
フロアランプ(IKEA)
引っ越した部屋のリビングをどうしたものかと考えているとき、理想の部屋として思い浮かんだのがスティーブの部屋である。Tiffany のアンティークランプが象徴的だが、残念ながらこんな高価なものは買えない。なんでも最近サザビーで440万ドルで落札されたそうである。現在のレートで約7億円。残念だが、7億円 のランプは買えない。だが我々にはIKEAがある。IKEAに行けば、素敵なランプが10万分の1の値段で買えるのだ。
クーラーボックス(ハイドロフラスク)と保冷剤(ロゴス)
某研究所のサッカーチームに誘っていただき、度々試合に混ぜてもらっている。ありがたいことである。創設は90年代という大変に歴史のあるチームであり、それが故にキングカズ顔負けの大ベテランの先生方もいまだプレーを続けていらっしゃる。そんなチームが8月の第一週の週末に東海地方で真昼間に試合をするという。控えめに申し上げて、頭がどうかしているんじゃあないだろうかと思った。「危険な暑さです。屋外での活動は控えてください」と天気予報が警告するようなときに、日陰の一切ない屋外でサッカーの試合とは、一体何を考えているのか。そしてなぜ、誘われた人間は快諾してしまうのか。
冷凍庫に二晩入れて凍らせた最強保冷剤を2つほど、クーラーボックスの中に放り込んで現地に持っていき、そこに水をたっぷり入れてキンキンの氷水を作ってから、プレーの前後に氷水タオルを頭から被って強制的に放熱することで物理的に脳の温度を下げる。こうすれば40度近い気温の中でも熱中症になることなく2時間フルコートでプレーをすることができます。
旅行用圧縮バッグ (Holicc)
旅行先ではよく散歩をする。コーヒーを飲みに出ようとか、本屋やスーパーを覗こうとか、あるいはただ次の目的地に移動しようとか、何かしら目 的があって外に出たときに、折角の旅行先でせかせかと移動するだけというのもつまらない。どこかに寄り道したり、気になった道に迷い込んでみたり、単に遠回りしてみたりする。結果として歩く時間が長くなる。そういう旅行では、荷物はコンパクトな方がよい。最低限の着替えに、ガジェットと身の回りのものだけ。ミニマリストになるつもりはないのだが、持ち物は削ぎ落としても意外となんとかなるものだ。
今使っているお気に入りの Freitag のバックパック F600 Carter は残念ながら廃番になってしまった。22Lサイズの小ぶりなバックパックだが、これで10日間の出張に出かけたりする。なのでパッキングはいつも真剣勝負である。誰に見せるわけでもないが、うまく収納できると満足感がある。そういう人は案外多いのではないかと思っている。そんな人におすすめなのがこちらの圧縮バッグである。下着、靴下、肌着やカットソーに、必要ならパジャマ、うまくいけばシャツも入れて圧縮、バックパックの底に入れておく。防水加工がされていて、表面と裏面に分かれていて、出かけた先で着ていないものと汚れ物を分別しておけるので重宝する。外ポケットもついていて、サブバッグとして持ち歩けるのも便利だ。旅慣れた人がデザインしたのだろうなと感心する。内側には小物を入れるポケットも複数ついていて、たとえば銭湯に出かけるときやジムに出かけるときなんかにも普段から使っている。欲を言えばもうちょっと外見がシュッとしているといいなと思うのだが、生地の性質やジッパーの使いやすさに由来する部 分もあり、スタイリングを優先すると機能あるいは価格が犠牲になってしまうのだろうなと想像している。
登山靴(SCARPA)
みなかみ町で仕事をすることになり、冬に現地に向かうことがあった。2月。電車を乗り継ぎバスに乗り、たどり着いた会場の周囲は雪の積もった斜面に囲まれ、天然のスキー場である。何も考えずにスニーカーでやってきてツルツルと滑っては転びながら歩く阿呆を見て、靴はちゃんとしたものを履かれてきた方がよかったですね、とホストの方が苦笑いした。
夏にもう一度出かけることになっていたので、登山靴を買いに行くことにした。今のところハイキングやトレッキングが趣味になる予定はないので、山にしか履いていけないものを買っても仕方がないのではないだろうか。どうせ買うならば普段履きもできるような、見た目のよいものがよい。とはいえ、ちゃんと山を歩けなくては意味がないので、神田にある専門店、さかいやスポーツさんに出かけてみた。気に入ったイタリアのブランドの登山靴を手にとって、しばらく考えて、店員さんに恐る恐る尋ねてみた。あのう、こういうシューズを街で普段履きするのって、山歩きを趣味にする人からするとどうなんでしょうか。いかにも山にいそうな、というと偏見もいいところだが、大柄の男性店員さんがこちらに刺すような視線を向けて、真顔でこう言った。
「ディフェンダーで都内を走る人っているじゃないですか。道狭いし駐車場入らないし、絶対運転しにくいと思いますけど、でもカッコいい車には乗りた いですよね。そういうことですよ」
カッコいい登山靴を履いて、夏にみなかみ町に行った。敷地にクマが出たので、散策は一切できなかった。
酢醤油(もつ幸)
友人が手土産にくれた。大変に美味い酢醤油であるという。博多で有名なもつ鍋の店で供されるものであるらしい。とはいえ人生でそれほど沢山の酢醤油を試したことはないし、酢醤油の味の違いにそれほど幅があるとも思えなかった。実際にこの酢醤油を試してみるまでは。
普通乗用車 (スバル)
少し前に友人が亡くなった。初期のTwitterで知り合って、しょっちゅうオフ会で会っていた。都心勤務なのに週末はずっと山にいるような人で、夏は山登り、冬はスキーといつでも山に出かけていた。車を買うことになったとき、ふと思い出したのが彼の言葉だった。「スバル以外は車じゃない」。友人はスバリストであった。
そうしてスバル車を買った。買ってから思い出したことは、幼い頃は車が好きだったということだ。週末になると親にあちこちのディーラーに連れて行ってもらって、もらった車のカタログで型式やスペックを覚えていた。幼少期に一番長く乗った親の車も、そういえばスバルのレガシィだった。ディーラー特有のあの匂いや水平対向エンジンのあの音を懐かしいと感じたのは、気の所為ではなかったのかもしれない。
路上で見かけるマナーの悪い車に向かって暴言を吐いてはしょっちゅう家族に叱られていますが、無事故無違反・安全運転 でやっていきましょう。
2023年に買ってよかったもの
年の瀬ですので今年もやっていきましょう。アフィリエイトリンクからの収益は今年も全て近所のビアパブの売上に変換されます。
マームール
サウジアラビア王国に招待された。イスラム国家に行くのは初めてである。入国ビザを申請するのも初めてである。「戒律を破ると死刑になることに同意します」と記された書類にサインをせよと言われた。サインをした。クリスティアーノ・ロナウドもこの書類にサインをしたのだろうか。
しかし畏れ多くもお呼び頂いたのだから何かしら手土産を持っていかねばならぬ。アルコールがご法度ならば選択肢は一つである。日本が世界に誇る伝統的な和菓子。抹茶キットカットである。ついでに抹茶エリーゼとか、抹茶アルフォートとか、とにかく抹茶味の菓子類をキャリーケースの半分にぎっしり詰め込んだ。
アラブの人々は手土産を大層喜んでくれた。「家族にも食べさせたいからもう少しもらってもいいか」と聞かれるので、まだ沢山あるからもちろん構わないと伝えた。翌日またやってきて「子供が大変気に入ったのでもし余っていたらもらえないだろうか」と聞かれるので、また差し上げた。そのような具合であった。
一人の学生さんが「お菓子のお礼です」とお菓子をくれた。これはこれはご丁寧に。クッキーのようである。食べてみた。初めて食べる味である。これはなんですかと尋ねたところ、サウジっ子がみんな大好きなお菓子、その名もマームールであるという。セモリナ粉で作って いるのでほろほろとした食感で、中にはデーツの実で作った餡が入っている。美味しい。素朴で食べ飽きない、不思議な、でも懐かしい味。「気に入ったのなら明日もっと持ってきます」という言葉通り、学生さんが箱入りのマームールを翌日持ってきてくれた。ありがたい。お礼に余っていた抹茶キットカットをどっさりあげた。
持ち帰ったマームールは家族がすっかり気に入って全部食べてしまった。そうして「次はいつアラブに行くのか」と訊くのである。
ちょいとアラビア半島まで持っていけば未だ知らぬローカルな美味しいお菓子に化けるのだ。抹茶キットカットを買ってよかった。
スタミナ源たれ
「地元の人間は皆知っているが他所では知られていないソウルフード」というものがある。青森県の人々にとってのそれがこれであるという。青森旅行の土産に頂いた。早速肉を漬け込んで焼いたところ大変に美味であった。地元の素材をふんだんに使っているという。言われてみればなるほど確かに、青森の特産品として有名なりんごもにんにくも、どちらもすりおろして鍋に入れると大抵のものはうまくなる。すりおろしたりんごとにんにくをベースにたれを作る。合理的である。
肉を漬け込んで焼く。焼き肉だけでなく肉野菜炒めにしてもよい。チャーハンの味付けにも使える。鶏肉を漬け込んで唐揚げにしても美味い。日式カレーの仕上げに入れるとコクが増す。何に使っても美味しい。その上クセがないので使うことを躊躇う必要がない。お土産に頂いた小瓶はすぐになくなってしまった。
唐津・七山の棚田米
遠方から友人が会いに来てくれたので食事をすることになった。パートナーがグルテン不耐症であるという。日本の食に馴染みの薄い彼らに代わって、食べられるもの・食べるべきでないものを調べることになった。「セリアック病ではないので全く小麦が無理というわけではない」という。そう言われてもよくわからない。どの程度なら食べられるのかと訊くと「ラーメン一杯はちょっと無理」。食物アレルギーとは無縁の人生なので、どう評価してよいのかわからない。結論として「少々混ざるくらいはOK」ということであり、重度の小麦アレルギーとなると話は別だが、グルテンフリーを実践する人々も和食中心の外食なら割合楽しめるということが分かった。なかなかに興味深い経験であった。
アレルギーもなければグルテンを食べて身体の具合が悪くなるという自覚もないのだが、胃の負担を減らすためにグルテンの摂取量を意識してみるのはいいかもしれない。小麦を控えればおれにもグランドスラムを制覇できるかもしれない。思い立ったので実行してみることにした。「13時を過ぎたらなるべく小麦・グルテンを含む食事を摂らない」「無理はしない、食べたいときは食べる」という方針で、無理のないように続けて数ヶ月。普段は特に身体の変化は感じないのだが、たまにパスタやラーメンを午後に食べると、普段感じることのない凄まじい満腹感、それと同時に眠気が襲ってくることに気がついた。お腹いっぱい食べられる。人類史における貴重な贅沢である。小麦は偉大だ。グルテンなくして人類の繁栄なし。だが本当にそうだろうか。
お米あれ。そうして米の消費量が増えた。
たまに福岡の実家に帰って米を食べると大変に美味しいと感じることがあった。「実家に帰って食うメシが美味い、育ててくれた両親に感謝」という心情の問題ではない。字面の通り、実家で食う米が美味いのである。不思議でもある。米の味を決めるにあたっての変数は3つしかない。水、米、炊飯器である。炊飯器が怪しい。実家で使っているのは年季の入った大手メーカーの炊飯器である。水はどうしようもないので、実家と同じ米を分けてもらって、自宅に戻って炊いて食べてみれば炊飯器の違いを検証できるのではないか。そうしてみたところ、自宅でも普通に米が美味しい。炊飯器ではなかった。米であった。
その米がこちらです。普通に通販でも買えるのだが、棚田は手入れが大変だし、周辺環境の整備には行政のサポートが必要なので、ふるさと納税に最適なケースだと思っている。
ラッセルホブスのケトルとTimemoreのコーヒーミル
イテレーションを最適化することこそが人生の豊かさに繋がるのである。
- 起きてキッチンへ行く。
- 湯を沸かす。
- 沸かしている間にコーヒー豆を挽く。
- 湧いた湯が適温になるまで温度計で測りながら待つ。
- コーヒーを淹れる。
人生とはこの繰り返しである。シンプルに見える。だが問題がある。待機時間が長いのである。湯が沸くのを待つ。適温になるのを待つ。待ち時間の間にちょうど豆が挽けるように時間を調整する。挽いている間に湯の温度が下がりすぎたのでもう一度湯を沸かす。また湯が冷めるのを待つ。無駄である 。無駄なので「狙った温度で止めて保温できるケトル」と「サッと豆が挽けるミル」を導入した。アップデートされた手順は以下である。
- 起きてキッチンへ行く。
- 温度を設定して湯を沸かす。
- 沸いた湯が適温で保温されている間にサッと豆を挽く。
- コーヒーを淹れる。
待機時間が発生するのはステップ2である。設定温度に達するとそのまま保温してくれるので、タイミングを測る必要がない。都合のよいときにプロセスをresumeしてすぐにコーヒーを淹れることができる。素晴らしい。
「そんなに無駄が嫌ならコーヒーメーカーを買えばよいではないか」と思われるかもしれない。そうではない。そうではないのだ。そうすると次は「コーヒーを買ってくればいいのでは」となり、その次は「コーヒーを飲まなければいい」になってしまう。最適化に走りすぎると、人生の豊かさを見失ってしまうのだ。
絶品ごはん (冷凍保存容器)
友人がこれを紹介してくれたので「こんな便利なものがあるらしい、これは素晴らしいものだ、もうラップでいちいち包んだりする必要はないのだ」と騒いでいたら、家族が蔑んだような目をしてこちらを見るので理由を聞いたところ「冷凍容器?そんな無駄なものは必要ない、ラップで包めばいい」と以前に同じ口で吐き捨てていたそうである。全く記憶にない。何を買うかではなく、どう買うかが重要であるということがよくわかるエピソードである。買ってよかったものブログもそうですよね。
簡易内窓DIYキット
部屋が寒い理由はわかりきっておりそれはアルミサッシのせいである。アルミサッシのせいで気候変動が起きるし疫病は流行るし戦争が起こるし貧富の差は拡大するしTwitterがサービス終了するしChatGPTが存在しない関数の説明をダラダラと吐くし疎遠になった親戚がいつの間にか陰謀論ユーチューバーにドハマリするのである。アルミサッシを滅ぼさねばならない。アルミサッシを滅ぼさねばならないが、面倒である。内窓を自作するキットを買ってきて設置した。部屋が大変快適である。
「組み立ては簡単です!」というアピールには同意しかねる。だが異常に難しいというわけでもない。「IKEAの家具の組み立てよりは難しい」くらいが適当な表現である。IKEAの家具の組み立てより難しいが、だがそれがどうしたというのか。IKEAの家具の組み立てより難しいことなんて人生にいくらでもあるのだ。
Apple のバッテリ交換プログラム
初代 iPhone の背面にはアルミ素材が使われていた。「使ううちに傷がついてきてだんだんと味わい深い見た目になるんだよ」と見せてもらったことを今でも覚えている。革製品のように時間の変化を楽しむガジェット。すぐに技術が進歩して置き換えられることが分かっているものをそんなふうに捉えるのは、なかなかいいなと思った。
初代 iPhone はもう使うことができないけれども、少し前の世代なら気に入った筐体のデバイスを使い続けることができる。
iBasso Audio の DAC と Shure のヘッドフォン
君子オーディオ沼に近寄らず。
きっかけは Spotify にムカついたことである。10年以上前、日本に正式に上陸するより以前から Spotify のお世話になっていた。ある時から、アプリのトップ画面、ダッシュボードの大部分が興味のないポッドキャストで埋められるようになってしまった。サービスとしてポッドキャストを推したかったのかもしれないが、日々の体験が最悪である。「金を払っているのに興味のないものでダッシュボードを埋められるのは我慢ならない」と Spotify のユーザフォーラムに投稿があった。その次の投稿に「私はApple Musicに移ったよ」とあった。そこで試しに Apple Music を使ってみたところ Spotify の最高音質と比べても音質が段違いに良いことに気がついてしまった。さらに Apple Music には Hi-Res Lossless というオプションがあり、そのクオリティで聴くためには Digital-to-Analog Converter (DAC) が必要で、近年はコンパクトで高性能なアンプ内蔵のスティック型 DACというものが存在し、そこに有線ヘッドフォンを挿すのであれば、どうせ家で聴くのだから開放型のいいヘッドフォンを……
沼のほとりに立っているという感覚がある。この先に進むつもりはない。今のところは。
AIとSF
ChatGPT の話題で盛り上がっている最中に刊行されたこちら、今読むのが一番旬で面白いとの評を目にして読んでみた。SF作家陣に現在進行系で進歩している人工知能をお題に書けと いうなかなかにチャレンジングな企画である。生成モデルの盛り上がりもやや落ち着いて、現実的な行く末と非現実的な妄想との線引きが徐々にできているような感覚がある今は、本書の賞味期限ギリギリであるとも言えるし、社会の狂乱を振り返るログとしての価値が出てくる頃合いでもある。しかし、やはり仏像なのだ。
2022年に買ってよかったもの
ブログを新設して過去記事を移植していたら年が明けてしまいました。2022年に買ってよかったものですが、2023年に買ってもきっといいものです。Amazonのアフィリエイトリンクからの収益は例によって近所のビアパブの売上に変換されます。
除湿機(コロナ)
日本の暑い夏を快適に過ごすためにケアすべきは気温ではなく湿度なのだということにようやく気付けたのが2022年であり、そのきっかけが除湿器である。20年ほど前に使っていた除湿器はただタンクに水が溜まり黴が生える邪魔な機械という印象しかなく、以降は除湿器を勧める声を目にしては訝しみ購入に二の足を踏んでいたが「非常に快適である」という身内のコメントに技術の進歩を信じて購入した。その名前から昨今大変なイメージダウンを被っているであろうコロナ社の除湿器である。これを寝室に置いて稼働させてみたところ「問題は気温ではなく湿度なのだ」ということに気付くまでに数時間もかからなかった。
これまではといえば部屋が暑くて不快なので冷房をつけるものの、設定温度を高めにするとジメジメとして不快だし、かといって低くするとそれはそれで寒いというジレンマに陥っていた。冷房だけでなく密閉性の低い住居の問題でもあると思う。ところがそれなりにパワフルな除湿器を導入したところ、みるみる湿度は下がってゆき、室温は下がるどころか上がっているのだが、空気は乾いて快適で、その快適さに従ってドン引きするほど除湿器のタンクに排水が溜まる。これまではこの量の水を空気に含ませたまま暮らしていたんですか?と誰かを問い詰めたい衝動に駆られること二度や三度ではない。
寝室での体験が非常によかったのでリビング用にも購入した。夏が終わっても洗濯物の部屋干しに活躍してくれている。さすがに真冬は出番がないが、高温多湿な気候の地域に住む全ての人にお勧めしたい。買ってよかった。
Amazon炊飯器(タイガー)
炊飯器に求めるものとはなんだろうか。米が美味しく炊けること。色々と気の利く炊飯オプションがあること。キッチンで悪目立ちしないデザインであること。エトセトラエトセトラ。違う。
違うのだ。
そもそも炊飯器は必要なのか。大抵の住居には熱源がある。熱源の上に鍋を置いて米と水を入れて熱を加えれば米は炊けるのだ。炊飯器は無用である。鍋で炊けば米は美味しい。鍋はあらゆる炊飯に対応する。鍋は美しい。炊飯器は無用である。
無用ではあるが炊飯器は本邦どのご家庭にもある。何故か。ラクだからである。スイッチポンで米が炊けるのだ。水加減も目盛りを見ればいいのでラク。火加減も気にしなくていいのでラク。炊けたあともそのまま置いておけるのでラク。米を炊いている間に別の調理が並行できるのでラク。必要だからではない。ラクだから炊飯器を使うのだ。
我 々は人類であり、人類は怠惰であり、怠惰な人類はもっとラクをしたい。炊飯器で米を炊くプロセスをもっとラクにしたい。炊飯器で米を炊く上で1番面倒なのは何か。無洗米を使えば米を洗うことすら不要である現代においてこれ以上炊飯器に我々が求めることはあるのか。ある。それは高速炊飯である。ポチッと押した瞬間に米が炊けて欲しい。究極の炊飯器なるものがあるならば「今米が食いたい」と思った瞬間に炊きたての米が食えて然るべきである。残念ながらそのような炊飯器はない。技術の進歩のために人類はもっと怠惰にならなくてはならない。
だがこの炊飯器の「少量高速モード」は2合までの米が15分で炊ける。15分!
朝起きて米と水を入れてスイッチを押せば顔を洗って身支度をしてメールのチェックをし終わるよりも先に米が炊ける。昼前のリモート会議の前にセットしておけばどれだけ早く会議が進行しても先に米が炊ける。夕方家族が家に帰ってくる知らせを受けてからセットしても余裕で先に米が炊ける。何をしようとも先に米が炊けるのだ。先に米が炊ける。この感動は代え難い。
忙しく怠惰な人類にお勧めしたい。文句なしに今年買ってよかったものナンバーワン。
AmazonSiri Remote シリコンケース
Apple TV のリモコンである Siri Remote はよくどこかに旅に出る。薄くて小さなデザインは悪くないが、ソファの隙間に挟み込んで見失ってくれと言わんばかりのデザインである。Hey Siri find my Siri remote! と叫んでみてもそんなものは知らないと iPhone の Siri が素っ気ない返事をする。Siri 繋がりだろう。なんとかなら ないのか。
なんともならない。だが我々には AirTag なる便利グッズが存在するのだ。Siri Remote に AirTag をつけるというアイディアはあまりにも馬鹿げていると思ったが、他に手立てはない。忙しい現代人にリモコンを探して部屋をウロウロする時間はないのだ。
そうして行き着いたのがこの AirTag を嵌め込める Siri Remote のシリコンケースである。ちょうどリモコンの背面に AirTag が嵌まるようになっている。デザインもそこまで酷くはない。買って装着してみた。グリップも良くなって悪くない。悪くないのだが、AirTag が入るだけの厚みができてリモコン自体が大きくなった。大きくなったのでそもそも見失うことがなくなった。まだ一度も AirTag でリモコンを探したことはない。
Amazonコインホルダー
頑なにキャッシュレス決済の導入を拒んでいる店は多い。それどころか一度某Payを導入したにも関わらずキャンペーンが終わったのでとあっさり使えなくしてしまう店すらある。忌々しいと思う。忌々しいが美味しいランチを安く出してくれる店が現金主義だったりするものだから、仕方なく月に数回はATMに行って現金を財布に突っ込むことになる。そりゃあ店舗手数料を考えれば現金で支払ってもらった方がいいに決まってはいるだろうが、店だって客だって現金の管理は面倒なのだ。インフレに便乗して値上げするくらい全然構わないからせめてQR決済くらい導入してほしい。
以前は小銭の管理が面倒だったので小銭貯金箱なる空き缶をデスクに置いておいて、お釣りにもらった小銭は全部そこに突っ込んでおいて、定期的に口座に流し込むと いうルーチンを組んでいたのだが、遂に最寄りの銀行窓口が大量の小銭の預け入れに手数料を取ると言い出した。どうしたものかと思っていたところ、職場の先輩がこのカッコいいコインホルダーで小銭を管理していたので、これはいいなと真似しようとしたが、カッコいいホルダーの値段に怯んでしまい、適当にAmazonで調べて出てきたこれを購入して使っている。大変便利である。
大変便利であり、かつ会計の時にこれを出すと5回に1回くらいの頻度で「なんですかそれ!すごい!」と食い気味にお店の人に話しかけられる。コミュニケーションツールとしても優秀である。買ってよかった。
Amazon保温タンブラー(Hydro Flask)
7月に仕事で渡米した際のドル円相場は1ドル140円ほどであり、インフレの影響もあってペットボトルの水を買うだけでも血の気が引くような思いをすることになった。それならばとシカゴのアウトドアショップで購入したのがこいつである。仕事場や宿泊先、カフェで水やコーヒーを充填しておいて出歩く先での命綱とした。ビアパブでテイクアウトするときにはタンブラーの代替にもなった。保温性能も申し分なく、デザインも悪くなく、すこぶる優秀である。1週間足らずの出張であったが、その間だけでも元が取れたと思っている。地球に優しくありたかったわけではない。自分の財布のことだけを考えていたのだ。人類とはかくも自分本位である。
帰国してからもこいつは便利だと持ち歩いており気付いたのは、日本特有の「公共の場にゴミ箱がないので空になったコーヒーカップをいつまでも捨てられない問題」がマイボトルによって解決した。いい加減持ち歩きたくないのに関係のないお店のトイレのゴミ箱に捨てるのは流石になあ、とか思い悩む必要はもうないのだ。釈然とはしないが、買ってよかった。
Amazon真空断熱炭酸ボトル(タイガー)
話題になったアレ。ビアパブからンマイビールを持ち出す目的で購入した。それ以外には使っていないし、使うことも多分ない。よしビール買いに行くぞ!という強い気持ちがなければ持って歩こうとは思わない程度の800mlサイズ。その代わりに持って出た場合にはコイツをバカ高いビールで満タンにしてやるぜという圧倒的な安心感がある。モノとしての良さよりも「ビールを買いに出かける」という楽しいイベントのきっかけとしての価値の方が高い。それほど出番が多いわけではないが出番がくるときっちり仕事をしてくれる。買ってよかった。
Amazonクックメッラ(Ilsa)
イタリアのコーヒーメーカーと言えば有名なのはマキネッタ。実際のところイタリアで、そしてコーヒーにうるさいナポリでも、家庭ではマキネッタを使うところが多い。コーヒーメーカーを導入するご家庭も最近では多いそうだけれども、友人の家に遊びに行くと皆マキネッタで濃いコーヒーを淹れてくれる。
ところでこちらはマキネッタとは違う、ナポリ式コーヒーメーカーである。「カフェテリア・ナポレターナ」とも呼ばれる。マキネッタが普及するよりも以前にナポリで使われていたと言われているこちら、冬にナポリまで出かけた際に買って きた。トレド駅近くの Pignasecca という商店街でキッチン用品店をハシゴ、1軒目ではなんと「昨日売れちゃったのよ」という不運に見舞われてしまったが、2軒目で無事にゲット。普段使いされるものではないので、観光客が買い求めているのではないかとは地元の友人の談。
マキネッタが蒸気の圧力でコーヒーを抽出するのに対して、こちらはドリップコーヒーに近い方式。片側が水を入れるポット、中央部がコーヒー豆を入れるフィルタ、反対側が抽出されたコーヒーが落ちるポットになっている。直火にかけて水が沸騰したら、クックメッラをひっくり返すことで、お湯がコーヒー豆に浸透し、コーヒーが抽出されるという仕組み。詳しくはNapolissimi さんのクックメッラ紹介記事を参照してほしい。
いや、これ普通にドリップコーヒーでよくないか?と思わないでもないのだが、この見た目の可愛らしさと「ひっくり返す」というユニークな扱い方が気に入っている。近年の買い物には珍しく、実用性を無視して買ってよかったもの。
自宅のコンロで直火にかけられるよう同じメーカーのプレートも買い求めた。
Amazonマキネッタ(Gianni)
マキネッタといえばモカ・エキスプレスのビアレッティ社が有名だが、こちらはジャンニ社のもの。クックメッラを探しているときにふと思い立って、外でコーヒーを飲むときに1杯サイズの小さいマキネッタがあれば捗るのではと購入したのがこちら。「色のバリエーションがあるんですね?」「そうよ、でもあ なたナポリに来たならこの色を買わなきゃダメよ」と、ナポリの空と海の色でカラーリングされたこちらを差し出された。もちろん異論はない。
マキネッタの何がいいって、やはり形の可愛らしさですよ。それがこのサイズだと余計に可愛い。まだ外で使ってはいないけど、手元にあるだけで愉快な気持ちになります。買ってよかった。
Amazon.itチェアゼロ(Helinox)
昨今のキャンプブームに乗っかって毎週末のようにあちらこちらにキャンプに出かけてーいない。出かけておりません。何しろ膝の靭帯がゆるふわなので、リハビリが完了するまではハードコアなアウトドアアクティビティはご法度なのであります。
でもねえ、楽しそうにキャンプする人々の様子をSNSで見ていると羨ましくもなりますよ。キャンプをする予定は全くないのに「災害時にあると便利だから」と誰にともなく言い訳をしながらせっせとキャンプ道具を買い揃えています。
で、椅子。すごいですよねこの軽さ。もはやプロダクトとしての良さは言い尽くされているので今更何をという感じではありますが「何の抵抗もなく持ち歩ける椅子」という人類史にペグを打って残したい新体験。外出時、「別に椅子はいらなくない?」という時でも、あえて椅子を持って出かけること、これこそが人類が長い時間をかけて獲得した、人生の豊かさなのだと思うのです。
Amazonホットサンドメーカー(キャプテンスタッグ)
友人にBBQに誘われたので、クバーノでも作るかと塊肉を買 いマリネ液に漬け込みパン・クバーノを焼き上げて出かけてきた。ちゃんとしたクバーノを作りたければちゃんとした長さのプレートが必要であり、食パンサイズのホットサンドメーカーは既にあるものの、新たにこちらを調達。ところがこれがキューバサンドを作るだけでなく、アウトドア調理器具として大活躍であります。
調理の際にもお手入れの際にも、取り外しができないタイプは価値が半減してしまうので、ホットサンドメーカーを買う際には上下のプレートが取り外しできるものを選びましょう。
Amazonレンチン可能食品保存用ポリ袋
「山本ゆり袋」と名付けて使っているのは我が家だけではないと信じています。肉に下味をつけたり粉をはたいたり、肉を湯煎調理したり、食材を冷蔵・冷凍保存する際に小分けにしたり、とにかく万能である。プラスチックごみを減らそうという世の流れに逆行するようだが、ラップの出番が減るわ、下水に流れる汚れが減るわで(無駄遣いをしなければ)トータルでは環境により優しいのではないかと思う。衛生管理のことも考えれば最早これなしで料理をしたいとは思わない。キッチン周りの道具を定期的に見直すと発見があるぞというリマインドを与えてくれた意味でも買ってよかった。
Amazonピーピースルー
今年買って衝撃だったもの・文句なしの第一位。
キッチンの排水溝のスループットに長いこと不満があり、ドラッグストアでパイプ掃除の薬剤を買っては度々掃除をしていたが、どうもいまいち改善しない。ついには鍋のお湯を捨てた だけでもいつまで経ってもシンクにお湯が張ったままという酷さになり、腹を立て、色々と調べて行き着いたのがこれ。このふざけた名前はなんなのだと使う前には半信半疑だったけれども、使ったあとに思うことは、この名前以外にあり得ない。
「一度では取りきれない場合もあるので効果が出るまで繰り返せ」「必ず書いてある通りの時間と容量でやれ」などの高圧的な口コミにやや不安を覚えながらもやってみたところ、数回の処置ののち、得られたのは凄まじい効果。パイプにへばりついていたと思しき積年の汚れが塊として浮いてきたときには幼少期に地上波で観たエイリアンの衝撃が蘇りました。あれだけ詰まっていたシンクが、ゴゴゴと凄い音を立てて大量の水をどんどん排水してくれます。家の底に穴が空いただけなのではと思うほどですが、今のところ階下から苦情は来ておりません。
Amazon学術出版の来た道
著者の有田さんは博士論文審査の主査を受けてくださった先生であり、今も業務で大変お世話になっているだけでなく、よく気にかけてくださっている恩人であります(利益相反の開示)。
だから紹介するわけではない。なんとなれば元となった連載をされていたことすら知らず、書籍の出版後もしばらく気付いておらず、別の共同研究者の方から勧めて頂いて本の存在を知ったのであった。「そういえば遺伝研に有田先生という方がいますよね、最近出された本が凄く面白くて」「えっ有田さんが?」「えっ本出されましたよね?」「えっ?」というやりとりがあった。さんざ世話になっておりながら!共著論文の相談を する際に論文誌の資本関係にやけに詳しいので不思議だな、などと呑気に思っていた。業務の場で著書を宣伝するようなタイプの方ではないのである。見習いたい態度であると思っている。
で、この本である。滅茶苦茶面白い。人類の科学の発展とアカデミアの形成とは切っても切り離せない「論文誌」のこれまでの歴史が、その現状の問題点に至った道筋として語られる。「歴史書」と「科学エッセイ」という相反するテーマが丁度いい塩梅で、主張が過度に強調されることもなければ、読んでいて退屈することもない絶妙な文章であり、研究を生業としない人にもお勧めできる一冊。難点というほどではないが、主に自然科学分野に関する歴史なので、人文系の学術出版に関してはそれほど語られないため、その点だけ誤解せずに読んでもらえればいいのかなと思う。
Amazon三体
このシリーズについて何かコメントせよと言われても困ってしまう。三体を読んだ人とそうでない人がいるというだけなのだ。これまでにそれほど沢山のSFを読んだきたわけではない。それがよかったのかもしれない。「物語が終わってしまうのが勿体無いから読み進めたくない」と感じる読書体験はなかなかないものだ。読み進めてはハァァアアアアと特大のため息をついては天を仰ぐようなことを何度もやっている。外伝の三体Xを手に入れたので、満を持して第三巻・死神永世の下を読み終わろうとしているところだ。
日常の些細なキーワードに反応しては「それ三体で見た」と発言して未読の家族に嫌そうな顔をされている。
Amazonゆるキャン△
全巻揃えたのが今年だったので今年買ってよかったものリスト入りです。説明不要の大人気シリーズ、「女子高生におっさんの趣味をやらせたみたシリーズ」の先鋒であると説明されるものの、その枠に収まらない人気を博している。
”What if…?” から広がる宇宙。ゆるキャン△はSFなのである。それも優れたSFであると、SFをあまり読まないと公言しておきながら、言わせて頂きたいのである。「1つだけ嘘をついて、残りはとことんリアルに描く」作品が良いSFであるとされるのであれば、「女子高生が冬にソロキャンする」という嘘に、実在するギア、実在するキャンプ場、実在する風景を美しく描くゆるキャン△が優れたSFでなくて一体なんだというのだ。
思うにゆるキャン△と三体は同じなのだ。どちらも3という数字がキーになっているではないか。リンちゃんも暗黒の森林で1人静かにキャンプをするではないか。暗い冬に狭いテントに潜りシュラフに包まって眠って«コールドスリープ»夜明けを待つではないか。
劇場版もSFみが強くてすごくよかったです。公開初日の初回に行きました。
リコリス・リコイル
久々にリアルタイムで追いかけたアニメ作品。随所に見える細かい違和感を、キャラクターの魅力とガンアクションの破壊力で「んなこたどうでもいいんだよ!」的にぶち抜いた豪快なアニメ。クリスティアーノ・ロナウドが点を決める代わりに守備が免除されるように。そういう認識でいます。スピンオフ小説が出ていたの でン十年ぶりに電撃文庫作品を買いましたがまだ読んでません。
おっさんになってしまったので、可愛らしい女の子のキャラクターが出てくると娘を見るような目で心配しながらがんばれと応援してしまう。自身の老いを自覚させられた作品でもありました。
AmazonThe Barcelona Complex: Lionel Messi and the Making
今年もいろいろのサッカー関連の書籍を読みましたが、1番はこれ。
今でこそハードコア・ナポリサポーターであると自認しておりますが、ナポリを追い始めるよりずっと前にはバルサを応援していた頃がありました。というのも、金にモノを言わせて選手を買い漁るマドリーの会長がイヤで、そのライバルとされながらもいまいちパッとしないバルサに同情したのが1つ。アルゼンチンリーグでプレーしていた頃から好きだったコネホことハビエル・サビオラが移籍していたのが2つ。2003-2004シーズンごろだったでしょうか。あの情けなかったバルサが、ライカールトの就任を機にCLを制覇し、レオ・メッシという才能を見出し、育て、ぶかぶかの長袖を着たひょろっとした青年がバルサの王として君臨するまでを、ずっと眺めていたのでした。ちなみに当時1番好きな選手はジュリでした。ペップが三冠を獲った後には、あまりに強すぎるので応援のしがいがなくなってしまって、同時期にナポリで洗脳を受けたこともあり、バルサを追いかけることを止めていました。なので、その後のMSNトリオの全盛期も、そして近年の凋落もその詳細を知らないまま、一体何が起きているのかと傍目に心配していたのです。